お笑いを見るということについて

前にも書いたかもしれないけど書きます。
今年のGWに見に行った「第2回お笑いホープ大賞」のトリで出てきたのがアンガールズだったのだけど、当時まだそれほど有名でなかった彼らは審査員の山田五郎氏に「君らは『わかって』やってるの?」と執拗に聞いていた。彼らの芸風はわざとなのか天然なのかを知りたかったらしいのだ。
お笑いを語る人がよく言うことの一つに「笑わせてる芸人と笑われてる芸人は違う」というのがある。多くは前者は後者に勝り、天然の芸人やスベリで笑いを取る芸人は時として芸人として見なされなかったりする。
そうは言っても僕もかつてはそうで、いちいち芸人を見るたびにこの2種に分別していたのだった。そして後者に分けられる芸人を蔑んだ目で見ていた気がする。正直言ってそうだった。(そもそもこの「寒い芸人は蔑まされるべきである」というのはダウンタウン以降の傾向だと思うのだけど、それはまた別の話で。)
で、これが最近ではもうめんどくさくなってしまったのだ。天然を装う事もまた芸であるならば、実際のところ「わかってやってるかどうか」なんてのはその本人にしか分からない事なのだから。それを観客の側で大別したところで何の意味もないんじゃないか、と思い始めたからだった。
そういうわけで、現在では何も恥ずかしがることもなく「ダチョウ倶楽部って面白いわー」ともいえる。いやダチョウの笑いが特に好きだという意味ではないけども、しかし彼らのやっている事を見て笑うのは事実なわけだし。