坂と坂とが。

ボキャブラ天国に出演していた若手芸人の中で僕が一番好きなのがフォークダンスDE成子坂でした。
 ホリプロ所属のこのコンビは「芸人がダジャレを言う」この番組の中で唯一「ダジャレをしない」コンビでした。「あんた、あの子の何なのさ」を「サンタ、本当にいるの?」「パンダ、笹を食う」などと替え、他のコンビが必死に韻を踏むことを目的にネタを作っていたのにに対し、彼らだけはあえてそれをしなかったのでした。
 そして彼らのネタは常に「(いい意味で)期待を裏切る」ものでした。言葉で書いても伝わらないでしょうから、もし近くのビデオ店に「自縛」1〜4巻がありましたら是非ご覧下さい。
 ボケの桶田敬太郎がお笑いを辞める事でコンビを解散したのは99年の事でした。
 以後ピン芸人となった村田渚はテレビで見かけることはほとんどなくなりました。たまに深夜のネタ番組で見かけた時には「電話の相手に向かってツッこむ」形でのネタをしていたのですが、そのネタはフォークダンス時代のものに近いものでした。当時も村田氏がネタを書いていたのかもしれません。
 同じくホリプロ坂道コロコロ(後に坂道コロンブスに改名)というコンビがいました。フォークダンスに比べればまだテレビでの露出も多かった彼らは、いつからかネタはショートコントを中心としたものとなり、またそれらが「長く伸びる仕掛けのあるスプーンを見せてオチ」のような小道具コントや「ずっと子供の演技をしていたら父親だった」の設定の裏切りだけのコントが多く、個人的には「坂コロのショートコントは打率が低い」という印象でした。なるべくなら1本のコントをやって欲しいと。
 そして先月。元フォークダンスDE成子坂村田渚と相方をわいせつ容疑で失った元坂道コロンブス松丘慎吾が共に事務所を辞め、新たに鼻エンジンという漫才コンビを組んだそうです。
 僕は彼らを応援したいと思います。