(ネタバレ)「崖の上のポニョ」がよくわからない

見てきました。かなり子供向けに作っているなあとは思ったんですが、それにしちゃあ話がよくわからなかったんです。これは僕だけなんでしょうか。

  • 誰かに「これってどういう話?」と聞かれたら困る。世界の破滅を救う話と言えなくもないんだろうけど、実際救おうと行動しているのはポニョの父のフジモトだけだし。お母さんのグランマンマーレも「人工衛星まで落ちだした!」アセるフジモトを落ち着かせるだけで何もしないし。
  • で、「さかなのこー」なポニョは結局何の魚なんだろう。金魚だというのは五歳児の判断だし、ご老人達は子供に話を合わせているだけだろう。母親のリサはチラ見しかしてないし。唯一いじわるばあさんだけ「人面魚じゃないか!」とツッコミを入れているから、やっぱり実在する普通の魚の何かではないんだろうなあ。まぶたあるし。
  • あと水の表現に関してなんですけど。ポニョもそのお母さんも水中で息が出来るのはいいとして、フジモトはそれができないから泡被ってるんですよね。で、嵐の次の日にリサやひまわりのご老人の方々がでっかいクラゲの中にいて走り回ってたんで、あああの中は空気あるんだなと思ったんですよ。でも宗助といじわるばあさんが中に入ってからはみんな会話の度に口から泡をぼこぼこ出すようになるのはなんで?さっき出してなかったのに。
  • 最大の首かしげポイント。嵐の次の日の、五歳児二人の船旅って結局どういう意味があったんだろう。大人たちもみんな船に乗って避難してるんだから、家でおとなしく待っててもよかったんじゃないかしら。クラゲの中でのフジモトの演説から察するに「宗助とポニョがここまでたどり着けるか」を試練として与えていたみたいなんだけど、それってどういう意味があってのものなんだろうか。それともこの推測が間違い?でもそうなるとお母さん同士の会話を遠巻きに見てるご老人の「リサさんつらいでしょうねえ…」って台詞の説明が付かない。そもそもあのお母さん同士の会話の内容はどんなものだったんだろうか。「ポニョを人間にしてそちらの家で育ててもらいますけどいいですよね?」「はぁ・・・」ってことか。じゃあ「つらいでしょうねえ」ってのはあれか。養育にかかる経済的な話か。いやいや違うだろうさすがに。ともかくポニョの魔法の力が強くなりすぎたことで水位が上がって陸が沈むとか、月が落ちてくるとかいう危機をなんとか救うためにポニョを人間にしようとしてるというのはわかる。ならすぐ人間にしてあげればいいのにまず二人に試練を与えている、というのがよくわからないんだ。一応最後で「この子が半魚人だと知った上でそれでも受け入れますか」とお母さんに確認されるから、この試練を通して宗助は半魚人だということを受け入れられるようになった、ということなの・・・?でも既に魚の状態から受け入れてるんだぜ?
  • 半魚人状態のポニョのあの手足って魚というより鳥のだろう。
  • 赤ちゃん連れの夫婦と船の上で出会うシーン。ポニョがスープとサンドイッチあげて、いったん別れて、そのあとグズる赤ちゃんをしばらく見つめたポニョが海面を走って赤ちゃんに頬をぐりぐりーとしてまたすぐ海面走って去っていく。あれ何なんだろう。
  • たとえば船の墓場にたどり着いた父親の船の甲板に金色の魚が上げられて、しばらくして黒くなって、魚の形から水に変わってしまう、というように、この作品の中で出てくる魚は魚でなくて魚の形をした水であるという描写がいくつかある。ポニョが宗助の乗る車を追いかけてでっかい黒い魚の上を疾走するシーンでも、その魚が道路に乗り上げ、ガードレールにぶつかって破裂していた。ということはこの黒い魚も水なんだなと思ったんだけど、いやちょっと待て。その前のシーンで無数のポニョのいもうとたちが変身した姿じゃなかったか。いいのか破裂して。
  • ストーリーの事は置いといて映像だけ見たとしても、水の表現にさほど感動しなかったなあ。冒頭のポニョの家のシーンは見るべきものが多くて良かったのだけど。あとポニョの疾走シーンも。だから船旅が続くあたりで眠くなっちゃった。
  • ポニョが終始眠くなるのはなんで?
  • 宗助とトンネルを通るあたりでポニョが人→半魚人→魚と姿を戻していくのは、魔法の力が切れてきたからってことなんだろうなあやっぱ。じゃあそのままにしておけば世界は元通りになったのかしら。
  • 両親を名前で呼ぶ宗助。あと夫を苗字で呼ぶグランマンマーレ。