映画「バーン・アフター・リーディング」みたよ

http://burn.gyao.jp/
あの「ブラピが踊ってる予告」でお馴染みのアレです。
以下ネタバレ。
・最後の最後、CIA内のシーンで、ああこれはただ笑えばいい映画だったんだ!と気づいたよ。つまりあらゆる「笑うとこ」を笑い逃してしまったということ。ああもったいない!
・そう考えると、ハリーが(ジョージ・クルーニー)自分の発砲にあれだけ驚くところなんてただ笑えばよかったんだよなあ。二度も出てきた「20年間発砲したことない」というセリフがいい伏線となっていたわけだし。
・冒頭から振り返ってみるとよく分かるのだけど、じゃあなぜ笑うタイミングを逃したまま2時間弱も経過してしまったかというと、そりゃアレだ。ミステリーにも見えるような(それもギャグなんだろうけど)あの前半の雰囲気だ。あの不穏なBGMだよ。おかげでハリーが鉄パイプをトンテンカンテンしてるのなんて絶対奥さん殺す装置を作ってると思うじゃない。今になって考えたらそれこそがフリであるわけなのだけど、でもさあ。そのフリに対するオチがあのエロ椅子だぜ。ポカーンとしちゃったよ。
・トレイラーで失礼にも堂々と「バカ」と書かれたブラピがもう本当にバカで最高だった。ジュースをストローでズーっと飲むだけでバカ。もう本当バカ。撃たれる瞬間のあの!あの顔が!いやあ最高。もうあの人46なのに全然そんな歳に見えないの。ほんと最高。帰宅して早速あのダンスと車の中でiPod聞いてノるブラピの真似して遊びました。
・あらゆる設定やらセリフやらがそれぞれ皮肉になっていて、次々と思い出してはニヤニヤしちゃったよ。そして最大の皮肉は「すごい奴」である「CIAマーン」によって事件そのものがなかったことにされてしまうという物語の結末。どんなに苦労しても不運によって殺されても、CIAマーンの手にかかればそれらはなかったこと=読み終えたら焼却処分(=バーン・アフター・リーディング)される報告書、だ。そして天からのカメラはぐっと高度を上げ、彼らも彼らの街もちっぽけなものとして映されて映画は終わる。これ以上のブラックな笑いがあるだろうか。
・親切なことに、この映画は後味をどう味わえばいいのかをラストシーンで教えてくれる。「わけのわからない物語」を聞かされたボスが、いいじゃんもう気にすんな忘れようぜと言ってくれるのだ。その「物語」がまさにこの映画そのものであるわけだから、つまり見終わってもいないうちから映画そのものが「この映画あんま気にすんなよ」と教えてくれるということ。そんなのアリか!(褒めてます)
・ひとつだけ納得いかない点を。オジージョン・マルコビッチ)の家に忍び込んだジムトレーナー、胸を撃たれてから階段駆け上がるのは無理じゃないだろうか。単に階段を上がってから撃たれるか、あるいは撃たれずに斧で襲われるだけでもいいじゃんか。
・そういうわけで、過度に期待しなければ割と楽しめる作品だと思います。ワッハッハではなくニヤニヤという感じの。あと予告だけ見てとにかくブラピの映画だからと思って見に行くと中盤とても驚くことになると思います。お気をつけくださいませ。