ライブのチケットを入手するということ

失礼を承知で書きます。すいません。
http://d.hatena.ne.jp/sahya/20041214#p1
今日発表されたラーメンズ単独ライブ「アリス」の追加公演の報を受け、id:sahyaさんが書かれた事にちょっと目を通しただけでも多くの方が反応し、ご自分のはてなでそれぞれの意見が書かれています。僕も夕方ごろに携帯から読みました。そこから多くのはてなダイアリーに飛んで皆さんの思うところも読んで、深く考えてしまったのです。
先に自分のスタンスを明確にしておくと、僕はヤクオフやらダフ屋の利用に対し断固反対の立場を取る者であります。チケットが手に入りにくくなっているそもそもの原因はそうした人たちの仕業であるわけだし、その人たちから定価以上の額で買うファンもまた自分の首を絞める行為であると考えています。
確かにsahyaさんの言われる


だから、ネットで文句言ってる人を見る度に、何らかの形で折り合いをつけるか、状況改善に向けて何かすればいいのに、と思ってしまう。エネルギーの無駄遣いだもん。文句言うだけ言って、でも結局チケット買って、って、分かるけど、残念だけど、何ーも変わらないと思う。そのことに、早く気付けばいいのに、って思う。

というご意見もわからなくはないんです。状況がもし改善されて、本当に観たいと思っている人が適正価格でチケットを入手できるようになればそれに越したことはないのですが、現在のところそうなる気配はないようです。確かにそうなんですが、しかし。
まだこっちが予約の電話をかけ続けている最中に既に予約番号だけの取引が始まっている場所、ヤフオクに対する文句を自分のサイト上で書いている人は昔から多くいました。確かにその人たちがチケット流通の画期的な方法を発明したことはないのですけれども、ファンサイトの管理人として「定価以上のチケット売買はやめましょう」と一言書いたり、それでなくても個人的な日記に「ヤフオクほんとムカつく!」と書くことが「エネルギーの無駄遣い」だとはとても思えないのです。僕がid:sahyaさんの文章を読んで何か引っかかるものを感じていたのは、この部分に対してなのでした。気付くのに時間を要しました。
金儲け目的で定価以上の取引をする人たちが一向に減らないのは、もちろん買う人がいるからなのです。チケットの予約は期間を過ぎれば自動的にキャンセルとされ、キャンセル発売や当日券に回されます。バカ高い値段で買わなければそれだけ正規の価格で手に入る機会が増えるのです。だからこそ「ヤフオクを利用しない」「チケットが余っても定価以上の価格で人に譲らない」というファンポリシーを持って行動することだけでもヤフオクユーザーに対する無言の抗議となる、と考えていたのです。これは僕自身の考えというより、多くのファンサイト管理人に教えられた事でした。
自分でも利用せず、自分のサイトを読んでいる人に利用しないよう呼びかけ、ヤフオクユーザーに対する批判を言葉にすることは、たとえ力は小さくとも自分の意思の表明となるのです。「定価以上で買うくらいなら観ない」と宣言することで転売者の「商売」の邪魔をする事ができるのです。彼らに「ラーメンズのファンはおカタい奴らばっかりで商売にならねえ」と思わせれば、結果チケットは見たい人の手にいきわたる事になるのです。席の数は決まっているのですから。
某大手ファンサイトの管理人さんがネットオークションでのチケットの高騰振りを見かねて「定価以上の取引お断り」の売買掲示板を設立した、という歴史もあります。ライブ鑑賞時のマナーと共にチケット売買のマナーを書いた管理人さんも存在します。そうした活動が実を結び考えを改めたファンも少なからず存在するでしょう。少なくとも僕はそうですから。
ここ3年ほどラーメンズファンサイトを見た結果、ネット上で自分の思いを書くという事が決して無駄な事ではないと僕は思います。何も世の中を変えようとしていない人だって、結果人の心を動かすときだってあると信じています。
2002年11月24日、渋谷シアターDで行われたライブ「conte lab #2」のエンディングで小林賢太郎氏は僕の目の前で言いました。
「次の公演*1のチケットを、ヘンな人がヘンな値段で売り買いしてるみたいですが、僕らにはどうすることもできませんので…」
あなたはヘンな人になっても平気ですか。

*1:第12回公演「ATOM」のこと