キン肉マン読破日記(3巻)


超人オリンピック決勝の対ロビンマスク戦。実はこの長い作品の中でこの勝ち方が一番すきだったりします。前大会チャンピオンという「絶対に勝てない相手」であるロビンに対し、何も技を持たないキン肉マンが勝利するのは「強者の驕り」であった、というこの勝ち方には無理がないのです。
この大会の後、「48の殺人技(特にキン肉バスター)」という技を習得してしまったキン肉マンはいよいよ単なるバトルマンガのヒーローになってしまうわけですけど、ここではまだ「ダメな主人公がエリートに勝つ」カタルシスを描いているんですよね。
思えば、例えば悪魔超人編のようにまだ「ミート君の命」という重大なものが賭けられていないこの時点では、キン肉マンが敵前逃亡するのもまだギャグになり得るんですよね。今後どんどんギャグがなくなっていってしまうのは、それだけキン肉マンに課せられた戦いが真剣勝負になっていったからなんでしょう。
そういうわけで、僕はやっぱりキン肉マンは初期の方が好きです。