(ネタバレ)「スカイ・クロラ」解釈

見た人なら誰でもわかる程度のことですが。自分用メモ。
原作は読んでないので以下はあくまで映画だけを見てのものです。

  • キルドレとは「死なない子ども」。年をとらず、戦死しても航空技術を受け継いだ「替え」がきく。「替え」は前任者の記憶を原則として持たないが、新聞の折り方などの癖を引き継ぐ。キルドレは自分がキルドレであることを知っているが、自分が誰かの「替え」であることを知らない。キルドレが産んだ子はキルドレではない。
  • 劇中行われている戦争は民衆に平和を味あわせるためだけのゲームに過ぎない。そのため終わることがなく、ティーチャーには勝てないようになっている。戦闘はキルドレが多く所属する民間の企業に委託される。この事実にキルドレ達は薄々気付いているが気付いていないよう振舞う。はっきり口にしたのはミツヤだけ。
  • カンナミが擦ったマッチを拾うクサナギ。マッチを折る癖が引き継がれていることからカンナミがジンロウの「替え」であることを知る。クサナギがカンナミのベッドに顔を埋めるシーンから。
  • 最後の戦闘シーンに挿入される、一人称視点でのクサナギと撃ち合うシーン。その直前のカンナミが発砲するシーンとクサナギの様子が違うことから、これはジンロウの視点であろう。一度クサナギに向けて撃ち、外れて、その後クサナギに撃たれている。これは「私に殺されるか、私を殺して」というクサナギの台詞と繋がる。
  • 「君は生きろ。何かを変えるまで。」の「何か」とはこの無意味な戦争のシステムのこと。ラストでカンナミは勝てないはずのティーチャーに戦いを挑み、ルールを破ることで草薙を救おうとする。
  • 戦争そのものが出来レースであることをクサナギは知っている?本部に抗議に行ったシーンで「私を殺そうとした奴の顔を〜」「情報が入らなかったのはどういうわけですか」とある事から。
  • 女整備士がクサナギを、フウコがカンナミを慮るところから、大人たちはキルドレの救われない役目を知っている?