L字と超完全イーシャンテンとスジ対子と六分儀ゲンドウブログと

いわゆる「完全イーシャンテン」というのは、面子+面子+両面ターツ+雀頭+L字、のことである(と認識しているんだけど合ってるかしら)。

完全イーシャンテン
一萬二萬三萬 四萬五萬六萬 三筒四筒 八筒八筒 六索六索七索

ここで「L字」とは両面ターツのどちらかの牌をもう一枚持った三枚形のこと。上の例での六索六索七索がこれにあたる。

ここから派生して、面子+両面ターツ+雀頭+L字+L字、を完全リャンシャンテンと呼ぶ(僕が)。

完全リャンシャンテン:
一萬二萬三萬 三筒四筒 八筒八筒 三索三索四索 七索八索八索

この完全イーシャンテンという言葉を生み出したのが誰だか知らないけど、広めたのはオバカミーコだろう。つまり片山まさゆきの功績だ。

打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス)

打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス)

オバカミーコの中ではさらに「超完全イーシャンテン」という言葉も出てくる。なんだろうと思ったら次のような形だった。

超完全イーシャンテン

二萬三萬四萬三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒七索八索
(面子+大ゲタ+両面ターツ)

ここで大ゲタとは、六連形のうち第二・第五ランクを持つ牌をもう一枚ずつもつ八枚形である。上の例では三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒がこれにあたる。

大ゲタは同一スジの対子を二組含む。テンパイ時はこのどちらかを雀頭とするわけだ。

上の例では、ツモ二筒五筒かツモ六筒九筒、さらにツモ四筒七筒でもソーズ待ちになり、先にソーズが完成すればピンズの両面を選べるテンパイになる、非常に強い形である。確かに「超完全」の名に相応しい。

この大ゲタという形、初めて認識したのはマンセンゴ氏のコラムスジ対子に有機性をもたらす牌組でである。スジで持った対子が繋がった六枚形四筒四筒五筒六筒七筒七筒四筒七筒のくっつきテンパイを生み、イーシャンテン時に両方にくっついてる(三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒)ならこの大ゲタを生む。

なにも大ゲタのように外側にくっつかなくてもいい。片方が内側である形、たとえば三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒もいい形だ。二筒五筒八筒六筒七筒ツモで「2面子+雀頭」を作る。




という認識を持ったまま、先日六分儀のブログを読んでいた。このブログの存在を知ったのは最近。おもしろい。

その中の何切る記事を読んでいて、見た事がある形があった。

六萬七萬八萬三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒二索二索三索

あのスジ対子理論の形である。あの大ゲタである。あの超完全イーシャンテンである。知ってる。俺知ってる。

これは両面ターツをもうひとつ増やす打二索で決まりだ。それが正解であることは知ってる。俺知ってるのだ。

解答を見ようとしたその刹那。気付いた。

これ打三索じゃないのか。雀頭二索二索を確定させた方がいいんじゃないか。

二索 : 六萬七萬八萬三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒二索三索

三索 : 六萬七萬八萬三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒二索二索

雀頭を固定させることによるデメリットは、もちろん14sツモでテンパイ逃すことだ。

ではメリットは。

メリット1:
ツモ三筒八筒でテンパイする。

他に雀頭があれば、大ゲタは二順子三筒四筒五筒六筒七筒八筒と二個の孤立牌四筒七筒とも見れる。つまり四筒七筒へのくっつきテンパイだ。

メリット2:
ツモ二筒五筒六筒九筒でのテンパイが三面待ちになる。

大ゲタ三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒を「三筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒七筒」または「三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒四筒」と見れば当然のことなのだけど、気付かなかった。

メリット3:
一盃口が見え、タンヤオになりやすい。

二索では、一索四索を引いてテンパイか、あるいはテンパイして一索四索待ちになるかだ。どうしても一索四索が必要になるので、単純計算で五割はタンヤオが成立しないと言える。

一方打三索では、二筒五筒八筒三筒六筒九筒をそれぞれ一枚ずつ必要とするイーシャンテンタンヤオ成立率は大雑把に言って2/3だ。


こう考えれば打三索が優ると言えるだろう。超完全イーシャンテンという知識が邪魔して選択を誤るところだった。あぶないあぶない。




と安心して答えを見たら、ゲンドウは打七筒を正解としていた。





三索 : 六萬七萬八萬三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒二索二索

七筒 : 六萬七萬八萬三筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒二索二索三索

ツモ七筒八筒でテンパイせず、ツモ六筒九筒で三面待ちにならなくなるが、代わりに三索のくっつきでテンパイが取れる、というのだ。

その差は微妙だけど、確かに言われてみればそうだ。河にピンズが多かったらこちらを選択するべきだろう。

オチなし。