恋の門 見てきました(以下ネタバレ)


まだ大人計画初心者である僕なんですが、その少ない経験から言うと、松尾さんの笑いってのは「台詞」と「サプライズ」にあると思っているのですよ。観客に「ええええ?(笑)」って思わせれば勝ち、みたいな。この作品でも例えば「小島聖の側転」とか「小島聖の家の戸を突然開ける子供」とかがそうで。
台詞の話もすると、松尾さんが書く台詞はそれを言う間まで計算されているものなんですよね。「一発旅行?」「一泊旅行。」とか「開封してるじゃないか!」「まあな。」とか、それぞれ台詞と台詞の間にある間(せりふとせりふのあいだにあるま)がそのオモシロさを最大に生かす長さ・短さになってるんですよね。「笑うとこ」が全てちゃんと笑えるってのは単純にすごいことだと思います。
ストーリーは大してひねってあるわけでもないものなんですけど、原作つきってこともあるのかちょっと消化不良だと思いました。小島聖が双子っていう設定もなんの意味があるやらよく分からなかったんですが、それより「漫画も恋人も諦めない!」っていうテーマを表した(と思われる)台詞があった割りに結局あれでよかったのか、恋はいいとして漫画は成功したと言えるのか?今後は石の漫画を諦めるのか?カンフーが達者な子供に「やめるなよ!」と言われておきながら紙の漫画を書いてもよかったのか?あれはハッピーエンドなのか?などなどどうにも引っかかるところが残ったままでした。
あと主演の二人はとても良かったんじゃないでしょうか。酒井若菜は動いてると可愛いけど静止画だとちょっとキツイということが分かりましたです。川原で石を投げられるときにスローになるとこなんかちょっとヤバかったですね。
あと松田龍平が「なんじゃこりゃあ!」って言うのはやっぱ狙ってるんだろうなあ。