統計学と初体験

別に統計学は専攻ではなかったのだけど、自分なりに統計を取るときに気をつけるべき事は分かってるつもりだ。「分母を数え間違えるな」ってことだ。
昔聞いていた若者向けのラジオ番組でリスナーに聞いた性に関するアンケートの結果を発表していたことがあった。それによれば初体験の平均年齢は16歳だそうだ。そんなバカな。いくらなんでも早すぎるだろう。モテる奴もモテない奴も合わせた平均が16歳ってことないだろう。
そもそもこの「平均値」はどうやって計算されたものなんだろうか。
当然「経験した年齢」の和を人数で割るわけなのだろうけども、しかし「まだ経験していない」という答えをどう扱ったのか。計算に入れないのだとすると「経験済みの人」だけの平均値となるはずだ。つまりその番組を聴いている人の平均年齢は超えないことになる。実際その番組のリスナーは中高生が中心だった。
つまりこのアンケートが生んだ結論は「中高生のなかで経験済みの者だけの、その初体験の年齢の平均値」でしかないのだった。その次の週の放送で読まれた「アンケートの結果を聞いて私は遅いのだと思い焦りました」という内容のハガキを聞いて歯がゆかったのを覚えている。