「…だーからよー!」←ゴールド読みながら電車の中で

先月号でもツッコミを入れた(http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20041028#p2近代麻雀ゴールドのコラム「バビロン大学 麻雀科学研究学部」なのだけど、デジタルで麻雀を斬るつもりなら頼むから数学わかるやつを連れてきてくれよ。「こればっかりはホントお手上げ。麻雀の奥深さ、罪深さとしかいいようがない」じゃないだろうが。
今回は和了の早さについての考察。相変わらずネット上のデータを拾ってきてあれこれ書いてはいるのだけど、どうしてこういう結論になるのか不思議でしょうがない。
まず「平均テンパイ順目が10.5、平均上がり順目が12.2、ってことはテンパイしたら2巡で上がれるのが普通」という結論がおかしい。テンパイはその手が結果上がれたかどうかに関わらず順目の平均値の計算に入れているのに対し、上がりはもちろん上がれたケースだけを拾っている*1。テンパイが早いほど上がれる確率が増すのだろうから、平均12.2順目で上がれた手全体のテンパイ巡目は10.5よりもはるかに早いはずだ。これに「遅かったせいで上がれなかったテンパイ」を合わせた平均が10.5だというだけであって「10.5巡でテンパった手は平均2巡後には上がっていた」という事象とは全く違う*2
しかしそれよりもオカシイのが「何番目のテンパイがアガったか」をまとめた表。
1番手:1148回
2番手:1312回
3番手:164回
4番手:4回
これにより「なぜだかわからないが、2番手でテンパイした人が最もアガリやすい!」と結論づけている。いや確かにこれだけ見たらそう思うかもしれないけど、さすがに不自然でしょ。でよく読んでみたらこの表のすぐ下にこんな記述が。
※ただし、テンパイ者が1人しかいなかった回はカウントせず
だったらそりゃそうだろうよ!
いいですか?どんなに早いテンパイでも他の人がテンパる前に上がっちゃったらカウントされないんですよ?
ってことは、テンパイ一番乗りの人が上がる確率は単純に考えて、2人テンパイで1/2、3人テンパイで1/3、4人テンパイで1/4ですよね?そしてこの数字は2番目にテンパイした人でも変わらないわけですよね?ならばテンパイ1番手が2番手に比べて上がり回数が劇的に多いってことはありえないわけですよね?
じゃあなぜ2番手の方がちょっとだけ多いのかと言うと、1番手の手は2番手がテンパるまで数巡上がれなかったってことですよね?ということは幾分「上がりにくい手」ということになりませんか?「数巡の間ツモれなかった」という条件がついた1番手の手と、何の条件もない2番手の手ではどちらが上がりやすいと思いますか?
この他にもこの2ページの記事にいろいろとツッコミたいところがあるのだけども、キリがないのでこのへんにしておきます。しかしなあ。誰かもっとマシな人がいないもんかなあ。
(参考リンク:http://psychology.jugem.cc/?eid=48

*1:あくまで推測

*2:例えば「運転免許取得時の平均年齢」と「交通死亡事故の加害者の平均年齢」を見比べ、その差が5年だったとしたら「免許を取った人は5年後に人を轢き殺すのが普通」と思うのだろうか