伏せヅモの効果とは

1日発売の近代麻雀で連載が始まった「リスキーエッジ」(押川雲太朗・荒正義)に興味深い闘牌シーンがあった。


オーラス、15順目で逆転の国士を聴牌した主人公の吉岡。
白發中一索九索一萬九萬九筒東南西北北
当り牌である一筒を下家に持たれた事を察知すると、最後のツモ牌を見ずに伏せたまま北を切り出す。吉岡が降りたと思った下家から見事一筒を引き出し、ロン発声の後伏せた牌をめくる。その牌は中であった。
麻雀マンガにおいて「ツモ牌を見ずに打牌する」という卓外戦術がこれほど有効に働くシーンは他に記憶がなかった。
さて、ここでは仮に「伏せヅモ」と名づけるが、この戦術が活きる状況は他にもあるのだろうか。考えてみたのだけど、たとえばこんなのはどうだろう。

オーラス。トップ目の下家とは2500点差の二着目。16順目に三着目の対面からリーチが入る。回っているうちにこんな手になった。
一索一索二索二索三索三索九筒九筒發發西西西ドラ三索
高い手であるがあいにく九筒發が初巡のうちに2枚ずつ場に出た純カラ聴牌である。
17順目、ツモってきたのは三索。これは対面の現物であったのでツモ切ると、下家が一索二索の形でチー、通っていない一索を強めに切る。しまった。ラス三索を食わして聴牌を入れさせてしまった。上がり目もなければノー聴罰符での逆点も望めそうにない。
しかし。対面が西をツモ切ったのを見て気がついた。一つだけトップを取る方法があることに。
私はツモ山に手を伸ばし、伏せたまま牌をツモり、西を1枚切った。その様子を見て怪訝な表情の下家、海底をツモって少考。どうやらリーチに危険らしい。伏せたままの私のラスヅモ牌をチラチラ見たあと、手の中からリーチ者の現物を切り、手牌を伏せたのだった。
思惑通りだった。