MONDO21 第3回女流モンド21杯観戦記 #3

Bグループ一回戦。起家から順に、初音−黒沢−清水−田中。この4人はAグループの結果を知っているため、Bグループでの総合3着はAグループの最下位である宮内の-12.7を超える事が目標となる。

この面子の中では清水が実力派とか言われてるのだろうけども、正直決して上手い打ちかたには見えなかった。テンパイの取り方も、相手の攻めに対する受け方も。
例えば東一局2本場、黒沢に大きい手が入ったとき。

黒沢一筒二筒三筒六筒六筒八筒八筒北北發發中中 ツモ六筒 ドラ六筒

ここから八筒を切り、2巡後に初音の切った2枚目の北をポンしてテンパイ(黒沢は南家)。この時点での河は九索西六萬四萬六索四索 九索八筒二索八筒
ここから清水が打五筒、初音が打七筒、さらに清水が打四筒何のケアもない打牌。黒沢の手役なんだと思ってんだろ。
結果清水が下の手から中で12600を振り込む。

清水二索三索三索四索六索七索八索八索八索中白白白 ツモ三索 ドラ六筒

メンホンテンパイしたから勝負したってこと?15巡目なのに?中初牌なのに?

東二局でも清水、5巡目に以下の手。

清水二萬三萬四萬五萬六萬七萬一筒二筒六筒五索五索六索七索 ツモ一筒 ドラ四萬
東九筒發中

何切りますか?
ここから清水はウーソー切り。えー。
点棒ないから三色作りたいのはわかるけどさ。三色できたってどうせリャンピン切るんでしょ。一盃口とか見ないの?

解説席が初音について「持ち味がない」と話しているとき、梶ヤンがこんな発言を。

梶本「(初音は)あんまり『これが好き』っていう感じじゃないんですよね。」
土屋「オールラウンダーみたいな感じですか?」
梶本「まー・・・手なり?」

ひでえ。
でもね、手なりで戦う人って強いと思うんですよ。で、実際それを証明したのが南一局、初音の親番。5巡目。

初音三萬三萬四萬七萬七萬八萬九萬三索三索四索四索四筒五筒 ツモ五索 ドラ七萬

使いづらい2枚のドラをどうするのかなと思ったら、ここで打四萬
ここってさ、「上手い人」だったら八萬九萬落として悦に入るんじゃない?二向聴戻しする自分に酔うんじゃない?
でも初音は素直に「手なり」で早い両面聴牌を選ぶ。ドラを持った平和でリーチかけるのが強いことを知ってる人だと思うんです。それを強いって言うんじゃないのかしら。上手いとは言われなくても。
この後ツモ八萬でピンズ面子を落とし、ツモ五索二盃口聴牌。ダマで六萬ツモって4000オール。お見事。

初音三萬三萬七萬七萬八萬八萬九萬三索三索四索四索五索五索 ツモ六萬 ドラ七萬

さて、この半荘最大の悪手を書きたいと思う。南一局1本場、持ち点2800の清水。9巡目。

清水三萬四萬五萬三索四索三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒北 ツモ三筒 ドラ北

よりによって三色が崩れる三筒をツモってきた清水、ここからドラの北を切って平和のみの聴牌を取る。え、1000点で上がるの?って思ってたら次巡即五索ツモ。三筒切ってフリテン、ダマで頭を探す旅へ出ると、次巡ツモ北
何これ。
1).結果論でもなんでもなく、ツモ三筒はツモ切りでしょ六筒九筒ツモで三色できても、先に五索引いてもどうせ切るんでしょ?三色じゃなきゃ上がりたくないわけでしょ?なら六筒九筒北ツモでないとテンパイ取らないようにしないと。上がらないテンパイはテンパイじゃないよ。
2).それよりも悪手だと思うのは、五索ツモの時点で三筒切りフリテンリーチしないってこと。「いい雀頭」で出上がったからってなんになるの?字牌でリーチして5200?タンヤオ牌引いてダマで5200?マンズかソーズにくっつけて三色崩すテンパイ?違うでしょ。リーヅモ三色を一番狙いやすい三筒六筒九筒待ちでフリテンリーチでしょ。マンツモが一番現実的で、かつ高打点でしょ。
この局、結果は七索タンキに替えて黒沢から5200の出上がり。ふーん。

結果
初音 +60.2
黒沢 +16.2
田中 -20.2
清水 -56.2