キン肉マン読破日記(18巻)


いよいよここから最終シリーズとなる王位争奪戦が始まるわけです。この辺は本誌でももうそんなに真剣に読んでなかったためあんまり覚えていません。ここからは新鮮な気持ちで読み返せると思います。
王位争奪戦の導入部分が丸ごと読めるこの18巻ですが、読み返してみて「戦う理由の説明」がスピーディーに処理されていることが意外でした。タッグトーナメント編終了からの「戦ってない話」はわずか4回。いかにこの作品がバトルだけのマンガであるかが分かります。
同じく「ジャンプ黄金期」と呼ばれる時期に連載していたバトル漫画作品で、ひとつのシリーズが終わってから次のシリーズが始まるまでの「戦ってない話」はどのくらいあったのでしょうか。男塾はそれぞれ1話くらいしかなかったはずですが、ドラゴンボールフリーザを倒してからは一旦悟飯が主人公の学園モノが始まってましたよね。あの辺好きだったんですが、すぐにまたバトルものに戻ったのは多くの読者に「戦ってないドラゴンボールドラゴンボールじゃない」と思われたからではないでしょうか。それほどまでにただ戦うだけのマンガが多かった時代だったんですね。
それまで「負けたらミート君の体が元に戻らない」や「正義超人が全滅する」など、キン肉マンにはそれなりの戦う理由があったわけですが、このシリーズでは王位というごく私的な理由がそれに当てられてしまいます。悪魔でも完璧でもないはずの敵キャラと、必然性が感じられないままに命を賭けた戦いを強いられるこの導入部分、当時も今も読んでて熱が下がる部分であります。