キン肉マン読破日記(20巻)

この作品の根幹に関わる問題として、「超人はいかにして分類されるのか?」というものがあると思います。正義とか悪魔とかは出生で決まるのか。自らの思想によるものなのか。あるいは単に所属を表すだけのものなのか。
とりあえず言える事はファイトスタイルで決まるものではないらしいということです。この20巻ではザ・ニンジャがサタンクロスに体を二つに裂かれることで味方と読者の涙を誘う一方、敵であるモーターマンの体を同じように真っ二つに裂いたラーメンマンは特に責められることはありません。
このシリーズにおいては悪魔と言っても読者側から味方と見られる事がある以上、そもそもその超人の分類そのものも意味があるものではなくなっています。
結局は「とにかくキン肉マンと敵対するものは皆敵である」とするのが最もわかりやすい読み方なのでしょうが、しかしそうなるとソルジャーの精神に惹かれて結成された超人血盟軍を読者はどう解決させたらいいのでしょう。これまでわかりやすい勧善懲悪に則って作品を展開させてきただけに納得いかないところであります。