整合麻雀のスゝメ

昨年から麻雀のコラムをメールマガジン「月カン!雀賢荘」に書いているのだけど、その中で麻雀のルールや作法についての改善案を何度か書いた。そこで試しにそれらを合わせてみたところ、非常に整合性の取れたものになった。もったいないのでこれを「整合麻雀(せいごうまーじゃん)」と名付けここで紹介してみる。

  • 整合麻雀が従来のものと異なる点は次の3点である。

1. 他家の捨て牌を鳴くとき河からその捨て牌を取り上げない
2. ポン*1自分のツモ番に行う
3. カンによって補充するのは槓上牌ではなく次のツモ牌

まず1.について。
鳴きによって捨て牌を取り上げることがないため、一度河に捨てられた牌は誰からも触られることなく、終局まで置いたままになる。フーロは2枚(カンなら3枚)だけを手牌の右側に晒し、当然牌を横向きにはしない。


両面ターツでのチーを行う場合はどちらの牌を鳴いたのかを示す必要がある。例えば手の内に二萬三萬があり、上家の一萬をチーする際には向かって左から二萬三萬の順に並べる。四萬をチーした場合は三萬二萬の順である。
ポンの場合にはただ2枚の牌を縦向きに並べるだけでよい。誰から鳴いたかは分からないが別に問題はない。通常はフリテンの判定の為に横向きの牌を置く位置で示されるが、そもそも河に置きっぱなしなのだから間違えようもない。


次に2.について。
ポンもチーと同様に自分のツモ番に行うが、上家の捨て牌しか鳴けないというわけではない。下家の捨て牌を鳴きたい場合でもポンの声を飲み込み、自分のツモ番になってから発声する。その間に他家にチーされた場合は残念ながら鳴けない。事実上チーはポンより優先され、通常の麻雀とは逆の扱いになるが、発声優先だと思えば腹も立たない(笑)。
一言で言うなら「鳴きでツモ番が飛ばされることがない」ということである。ツモ番は等しく順番どおりに周り、一巡の間に他家が捨てる牌は常に3枚である。これと1.とによって、一巡ごとの4人の捨て牌の枚数は完全に一致する。
一巡の間に2人の他家が同じ牌を捨てた場合にはどちらからポンするかを選択することができるものとする。しかしどちらからであっても特に何も変わらないため、実際には選択する必要すらない。ただし3種目の三元牌を鳴く場合など「役満のパオを誰に負わせるか」を決定する必要だけはある。


最後に3.について。
現行するルールの多くでは終局時に王牌をちょうど14枚残す。これはリンシャン牌が一枚減るたびに山から一枚ずつ王牌に補充されるためであるが、ならばはじめから王牌は誰からもツモられることがない「触らずの14枚*2」としてしまった方が分かりやすくてよい。これで海底牌の位置は固定される。もちろんカンしてツモった牌で上がればリンシャンツモの役は認められる。
以上の取り決めによって得られる利点を思いつくままに挙げてみる。

・チーとポンの声が同時にかかる事がなくなる。これで「どっちが早かったか」のトラブルがなくなり、鳴きたがっている事がバレることで他家からスジや色を抑えられるといったこともない。
・ポンするかどうかを考える時間が生まれる。通常は他家の捨て牌とツモの間のわずかな時間に決断する必要があり、発声が遅れると次のツモ牌を見られてしまう可能性がある。その際に被害を被るのは他家に見られた牌をツモることになる下家である。
・捨て牌の枚数が揃うため、リーチ後に通った牌がどこからであるか一目瞭然になる。
・「巡目」の概念が明確になる。従来の麻雀ではいま何巡目なのか数える方法は無かったと言っていいだろう。自分のツモ番が一巡するまでの間に対面が3枚も捨てていた、ということだって在り得たのだから。
・牌譜が読みやすくなる。ただ東家から順に目を動かせばよい。
・何らかの事態で対局が中断されたとき、再開時に誰のツモ番からかがすぐにわかる。捨て牌の枚数を数えればよい。
・「海底牌はアンカンできない」というルールに納得することができる。もう補充する牌がないからである。

いかがでしょうか。

*1:大ミンカンを含む。以下同様

*2:通常この言葉は別の意味で使われるが