ケネスの手を軸シートで検証してみよう

以下は初音本からケネス徳田氏の実戦譜の引用。

三萬五萬七萬四索五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒 ツモ五筒

初音本には「大変迷う手」とあった。マンピンソー全ての順子のランクが確定していない事が理由だろう。
この手から何を切るのが最も有効なのか、軸シート(http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20050810#p2)で検証してみよう。
数牌それぞれの色に対し、メンツの候補を全て洗い出す。

マンズ:三萬四萬五萬 五萬六萬七萬
ソーズ:四索五索六索 五索六索七索
ピンズ:二筒三筒四筒 三筒四筒五筒 五筒六筒七筒 六筒七筒八筒

次に、これらから軸だけを取り出し、軸シート上に配置する。

裏裏四萬裏六萬裏裏
裏裏裏五索六索裏裏
裏三筒四筒裏六筒七筒裏

以前に示したとおり、軸シート上では三色三歩高は斜めに並ぶ3枚の牌に、三色三同順は縦一列に並ぶ3枚の牌にそれぞれ対応する。上の例からは三色三歩高を4種、三色三同順を1種見つける事ができる。

三色三歩高A
裏裏四萬裏裏裏裏
裏裏裏五索裏裏裏
裏三筒裏裏裏裏裏


三色三歩高B
裏裏四萬裏裏裏裏
裏裏裏五索裏裏裏
裏裏裏裏六筒裏裏


三色三歩高C
裏裏裏裏六萬裏裏
裏裏裏五索裏裏裏
裏裏四筒裏裏裏裏


三色三歩高D
裏裏裏裏六萬裏裏
裏裏裏五索裏裏裏
裏裏裏裏裏七筒裏


三色三同順
裏裏裏裏六萬裏裏
裏裏裏裏六索裏裏
裏裏裏裏六筒裏裏

さて、上の手から何らかの牌を切る際、その牌の色とランクによって候補にあがったメンツが減り、結果上の軸シートから軸を表す表向きの牌が減ることになる。例えば三萬を切った場合には三萬四萬五萬を見切ることになり、即ち軸四萬が軸シート上から消えることになる。これを上の図と見比べることで、軸四萬を含む三色三歩高AとBを見切る打牌であることがわかる。
それぞれの打牌と、軸シート上に残った軸、狙える役をまとめたのが以下の表である。

打牌軸シート三色三歩高A三色三歩高B三色三歩高C三色三歩高D三色三同順

三萬

裏裏裏裏六萬裏裏

裏裏裏五索六索裏裏

裏三筒四筒裏六筒七筒裏

七萬

裏裏四萬裏裏裏裏

裏裏裏五索六索裏裏

裏三筒四筒裏六筒七筒裏

四索

裏裏四萬裏六萬裏裏

裏裏裏裏六索裏裏

裏三筒四筒裏六筒七筒裏

七索

裏裏四萬裏六萬裏裏

裏裏裏五索裏裏裏

裏三筒四筒裏六筒七筒裏

二筒

裏裏四萬裏六萬裏裏

裏裏裏五索六索裏裏

裏裏四筒裏六筒裏裏

五筒

裏裏四萬裏六萬裏裏

裏裏裏五索六索裏裏

裏三筒裏裏六筒裏裏

この図より、打七索が他よりもやや有利であり、反対に打四索は著しく損な打牌であることがわかるだろう。
もちろん6点役と8点役を同列にしていることや、残り牌の枚数、また残る受け入れのチーの可否などの評価の方法もあり、一概に○の数だけで打牌に優劣をつけることはできないだろう。しかしこうした図の導入によってそれぞれの打牌を評価する一つの基準が生まれた事は確かである。


ちなみにケネス氏は五筒をツモ切った。