ケネスの手を軸シートで検証してみよう
以下は初音本からケネス徳田氏の実戦譜の引用。
ツモ
初音本には「大変迷う手」とあった。マンピンソー全ての順子のランクが確定していない事が理由だろう。
この手から何を切るのが最も有効なのか、軸シート(http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/20050810#p2)で検証してみよう。
数牌それぞれの色に対し、メンツの候補を全て洗い出す。
マンズ:
ソーズ:
ピンズ:
次に、これらから軸だけを取り出し、軸シート上に配置する。
以前に示したとおり、軸シート上では三色三歩高は斜めに並ぶ3枚の牌に、三色三同順は縦一列に並ぶ3枚の牌にそれぞれ対応する。上の例からは三色三歩高を4種、三色三同順を1種見つける事ができる。
三色三歩高A
三色三歩高B
三色三歩高C
三色三歩高D
三色三同順
さて、上の手から何らかの牌を切る際、その牌の色とランクによって候補にあがったメンツが減り、結果上の軸シートから軸を表す表向きの牌が減ることになる。例えばを切った場合にはを見切ることになり、即ち軸が軸シート上から消えることになる。これを上の図と見比べることで、軸を含む三色三歩高AとBを見切る打牌であることがわかる。
それぞれの打牌と、軸シート上に残った軸、狙える役をまとめたのが以下の表である。
打牌 軸シート 三色三歩高A 三色三歩高B 三色三歩高C 三色三歩高D 三色三同順
打
− − ○ ○ ○
打
○ ○ − − −
打
− − − − ○
打
○ ○ ○ ○ −
打
− ○ ○ − ○
打
○ ○ − − ○
この図より、打が他よりもやや有利であり、反対に打は著しく損な打牌であることがわかるだろう。
もちろん6点役と8点役を同列にしていることや、残り牌の枚数、また残る受け入れのチーの可否などの評価の方法もあり、一概に○の数だけで打牌に優劣をつけることはできないだろう。しかしこうした図の導入によってそれぞれの打牌を評価する一つの基準が生まれた事は確かである。
ちなみにケネス氏はをツモ切った。