笑わせるのか笑われるのか、そんなの問題じゃない

小田扉「そっと好かれる」読んだ。

そっと好かれる (F×COMICS)

そっと好かれる (F×COMICS)

短編集。
小田扉の作品にはオチらしいオチがない。それまでのコマで続く会話の途中で、その続きが次のページに書かれてもまったく問題ないところでプツっと終わる。だからそれがオチとして書かれたものなのかもよく分からない。
フリとオチが、日常と異常が同じ温度で描かれる。読者に笑いが起きるであろうシーンも特に大きなコマで書かれることはない。淡々としているが、そこに確かに笑いはある。無意味であることを笑うものとも違う。そこに意味はある。受け止められないだけだ。