7月に読んだマンガメモ

既に感想を書いた作品は除く。

豪華客船の中で行われる大虐殺劇。相変わらず「見栄」たっぷり。ただその見栄の切りすぎで、わざわざ敵の目の前に身を乗り出す危険な行為には首を傾げてしまう。挑発のために銃を持った男の前に丸腰で出る、とか。
ところで高橋ツトムの作品にはよくエゴイストが出てくるのだけど、それがもう本当にエゴで恐いのだ。この作品というよりも、これの3巻に収録されている短編「69」でよくわかる。

鉄腕ガール 9 (モーニングKC)

鉄腕ガール 9 (モーニングKC)

最終巻を手に入れて読んだ。
これはやっぱり野球マンガとは言えないだろう。作者が描きたいのは加納トメという女の生きざまであって野球というゲームじゃない。それが証拠に、チーム戦である野球としての駆け引きは一切描かれず、あるのはただトメの手から放たれる球がミットに収まるまでの描写だけだ。
最近よくするギャンブルマンガの考察でも思うのは、そもそもスポーツにしろギャンブルにしろ、球がどこにどう飛んだか、サイコロを振ってどの目が出たか、カードや牌の組み合わせがどうかなんてことは生きるにあたってどうでもいいことである。で、そのどうでもいいことに対し何か約束事を設け、双方がそれを守るということでドラマを生むのがスポーツもの、ギャンブルものなのだ。ならばそれによって描かれるはずのドラマがなく、あるのは試合の外の話ばかりであるとしたら、それはやっぱりスポーツものとは言えないだろう。

魁!!クロマティ高校(1) (講談社コミックス)

魁!!クロマティ高校(1) (講談社コミックス)

9巻まで。
体温の低いボケに同コマ内でのツッコミ、そしてめくりオチ*1。良質。

ギャンブルッ! 10 (少年サンデーコミックス)

ギャンブルッ! 10 (少年サンデーコミックス)

10巻まで。
現代の「100万$キッド」だなあと思って読んでいたら誘拐編では見事に福本伸行だった、というお話。正直最初バカにしていたけどもちゃんと読める。

黒鉄 1 (モーニング・オープンKC)

黒鉄 1 (モーニング・オープンKC)

全5巻。
冬目景の作品はいまのところひとつも当たりがない。これも。

ヨルムンガンド 1 (サンデーGXコミックス)

ヨルムンガンド 1 (サンデーGXコミックス)

お友達に借りて5巻まで。
嫌いじゃないし、話はよくできてるなあと思うけど、やっぱりドンパチで人がどんどん死ぬマンガは苦手だ。で、これを読んでどうして苦手なのかようやくわかった。もちろん自分の中のモラルが邪魔するということもあるのだけど、やっぱりマンガでドンパチを描くとウソが目立ってしまうからだ。ウソの代わりにご都合主義と言い換えてもいい。主役達には弾が当たらないという「都合」だ。
敵の命を平気で軽く描けるのは、つまり命というものの重さの描写を避けているに過ぎない。敵味方合わせて人の命なんて軽いもんだと言いたいなら、じゃあ試しに主要キャラを一人殺してみればいい。話は停滞してしまうだろう。現実だけでなくフィクションにおいても人が死ぬことは「消失」なのだ。さっきまであったものが消えてしまって、それでも一向に構わないなんてことがあるはずがない。

黒執事 1 (1) (Gファンタジーコミックス)

黒執事 1 (1) (Gファンタジーコミックス)

2巻まで。
「そういったご趣味をお持ちの方向け」なのかなあと思って読んだらそうでもない。いやそうでもないことはないのだけど、でも大丈夫。読める。
キャラをいかに魅せるか、を優先しているマンガも読めるようになったんだなあ俺。

放浪息子 9 (BEAM COMIX)

放浪息子 9 (BEAM COMIX)

最新の9巻が発売されたので。
いやあこれ、ほんとどうするんだろう。先に救いはあるんだろうか。
二鳥くんの周囲の人々も、そして読み手もそろって二鳥くんの趣味を応援してあげたくなるのは、もちろん二鳥くんが可愛いからだ。ではこの先は?成人男性になってもまだ?そもそも可愛ければ男が女になっていいのか?
話はそろそろどん詰まり。悲しいのは、この問題が解決したとしたら、それはこの作品が終わるときだ、ということ。

*1:ページをめくったらオチ