東京03はあんなもんじゃない

遅ればせながらキングオブコント2009の感想を。
いわゆる第0回単独*1から見ているファンとしては、今回の結果は素直に嬉しい。というよりも昨年キングオブコントという大会が始まるという報を聞いた瞬間「ああこれはもう東京03ラバーガールの一騎打ちだなあ」と思っていたので、ようやくといった感じ。
というわけでこの優勝によりこれまでこのトリオに脚光が当たること自体は嬉しいことなのだけど、ただファンとしては、あの2本の4分ネタだけを見て東京03を見た気にならないで欲しいと言いたいのです。そう、あの場で見せたあのネタはある意味で03らしさが出ていなかったのだ。
以前にも書いたかもだけど、「03らしさ」とは、ツッコミの間の緩急にあると思っているのです。ボケの終わりとツッコミの始まりの間がない、いわゆる「ゼロの間」もあれば、一方で5秒ほど間を取る時もある、その緩急こそが。
今回見せた2本のネタは、どちらも彼らの持ちネタの中では短めのものだったのだけど、しかしそれでもかなり間を詰め、大急ぎで駆け抜けたという印象でした。ルール上仕方ないことだし、それでも十分に笑えるものになってはいたけれど、しかし僕が好きなのは5秒の間の方で。「警察に連絡するつもりだろ」「しねーよ」「・・・しろよ!」や「いつまでも旅行気分でいるんじゃねえよ!」「・・・旅行じゃん」での「・・・」の間は5秒あるべきなんですよ。あっけに取られた飯塚さんの顔と合わせて楽しみたいんですよ。それが東京03のコントなんですよ。
いま東京03のネタを彼らの間で見せてくれる場といえば、テレビではエンタくらいしかないわけです。ライブは行ける時は必ず行くようにしてるんですが、願わくば次の公演では公演数を増やしてはもらえないかしら。ねえ。ちょっとくらい調子に乗ったっていいじゃない。

第7回東京03単独ライブ「スモール」 [DVD]

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*1:飯塚・豊本のコンビ、アルファルファ名義での最後の単独。全ネタに出ずっぱりだった客演の角田と合わせ、事実上東京03として最初の単独ライブだった。実際の「第1回単独ライブ」は後の公演。