「告白」みたよ

http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html(注:松の顔がデカく出ます)
以下ネタバレ。
伊集院光の造語に「中二病」というのがあるが、これはまさしく「中二病って困ったもんだよね」というお話だ。
・現実のこの世の中で、たまに14歳が世間を騒がす「事件」を起こしたりする。それが起きたとき、大人は何も出来ない。なぜなら相手は子供だからだ。子供相手に何をしても無駄だからだ。だから「事件」に対しては、大人たちはそのときにだけ何となく予防策になるようなことを話し合い、自分を納得させるだけで済ます。話し合うだけで何もしない。つまりは諦めているのだ。でも、もし諦めないとしたら?この映画はそういう話。
・分類するならこれは「復讐劇」なのだろうけど、そして映画はその復讐が達成されたところで終わるのだけど、カタルシスが得られることはない。やるだけ無駄な復讐を成し遂げて何があるのか。それは教師である森口本人も分かっていることだろう。それでもやらざるを得ない、つらさ。
・映像の時系列の壊し方と、話の伏線の繋がりが素晴らしい。実際に起こったこととは異なる「想像上のシーン」(たとえば体育館爆破後幾多の死体の中を歩くシーン)が多かったのだけど、ということはあれやこれやのシーンも実際にあったことなのか疑わしくなる。本当に少年Aの母親は爆死したのか?
木村佳乃の鬼気迫る演技がすごかったのだけど、息子と心中しようと決めたとき、「あ。」と声を出してすぐその決心を日記に書き、「使う」包丁を選び、背中に隠しながら階段を上がるあのシーンはなんだろう。あそこだけコメディになっているのはどうしてなんだろう。ゾッとすることはするんだけど。