「ねたあとに」連想日記 その4 それはなんでしょう
- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/02/06
- メディア: 単行本
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ルールはこちらをご参照下さい。
http://www.n-yu.com/nande_show/
質問は普通答えより先に来るものだ。しかし「それはなんでしょう」ではその質問の一部だけが公開され、答えたあとに質問の全文が明らかになる。質問の一部→答え→質問の全文、の順である。これは何かに似てはしないだろうか。
それはクイズ番組の早押し問題だ。問題文の途中でボタンが押されたとき、正解と判定された後で問題文が改めて読まれ、ちょうどこんな感じになる。
そもそもクイズとは知識を競うものであったが、テレビでのショーでは解答者を一人に絞るために早押しボタンが発明された。そしてそこには反射神経と、途中までしか読まれない問題に対する先読みの能力とが要求されるようになった。
「ポロロッカ」クイズ王・西村顕治の伝説
http://www.syu-ta.com/kako/2005/10/21/015017.shtml
いわゆる大喜利も質問と答えからなる遊びだが、これを答えから先に発表したらどうなるか。答えがフリで問題がボケになっている大喜利が「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ)のかつての1コーナー「早押しクイズQQQのQのQ」である。
早押しクイズQQQのQのQ 『千葉県』
この「先に聞いた問題に納得がいかないまま無理矢理答える」という感覚には覚えがある。学生時代急速に流行り出した心理ゲームを初めてやったときのそれだ。
あなたは森を歩いていますと急に言われる。いや歩いてないよ今はここにいるよと言ってもいやそういうもんだからと言われる。歩いてるとして、歩いてると仮定しての話だと。納得がいかないまま続きを聞くとそこでまた、あなたは動物に出会いましたと言われる。はい出会ったと仮定しての話ですねと飲み込む。するとあろうことか、その動物は何ですかとこちらに問いかけてくるのだ。何を言ってるんだお前が動物の話をし出したんだろうが。出会ったことを勝手に決めておきながらその動物の種類をこちらに聞くとは意味が分からない。そんなの分かるわけないじゃないか。
いや当たるとかそういうんじゃなくてとにかく思いついた動物を言えと言う。なにがなんだかわからないままにとりあえず適当な動物を告げると、今度はこちらの人格やら性格やら、時には性癖までも決めつけてくるのだ。ははあわかったぞこれはつまり占いみたいなもんだな。当たるかどうかにはそれほど責任を持たない遊びだなと思っていると、なんでも心理学とかいう難しい学問を持ち出して、これはそれに沿って作られているから裏付けはあるんだ占いとかそういうのじゃないんだと胸を張られる。なんということだ。人の行動から何から勝手に決めつけておいた上で、その論理が学術的に正しいものだと主張までするのか。
ラーメンズ 心理テスト