ONE OUTS読破日記(4巻)
- 作者: 甲斐谷忍
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/12/11
- メディア: コミック
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というわけで追っかけ感想を随時書いていこうと思います。
3巻から始まった対マリナーズの三連戦、の3回戦目。レート20倍。僕は本作品の全試合の中でこの試合が一番好きです。こんなに異なった「目的」が登場する野球作品ないよ!
試合として争うリカオンズとマリナーズ・チームの勝敗とは別に年棒を争う渡久地と彩川オーナー・そして個人成績を気にして自責点を成立させたくないマリナーズピッチャー吉良と、何重にも利害関係の対立線が重なった試合。そして渡久地の「目的」をすべて満たすトリック。まさに渡久地の言う通り「超ウルトラC」だ。ってまあ最後の打席がピッチャーゴロにならなかったらどうする気だったんだって話ですが。
チームとしての目的もが普通に得点することよりも降雨コールドの成否の争いに変わり、再び得点での勝負に戻る(!)ってなあ。頭脳戦マンガの中でもかなり上質なトリックなんじゃないでしょうか。
そして今までギリギリの説得力で保ち続けてきた渡久地の投球力もこの試合で崩れ、読者も「渡久地だって打たれる」という事がわかったわけです。ここではっきりと失点を書いたのは上手い展開がだなあと。いつまでもプロを完封し続けるってのも無理があるわけですから。