ONE OUTS読破日記(7〜9巻)
- 作者: 甲斐谷忍
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この辺りからペナントを漫画にすることの難しさに気付いてきた(僕が)。なぜバトルマンガにはトーナメント戦が多いのか分かった。一度戦った相手ともう一度戦う、なんて書きようがないからだ。
マンガの中で描かれる「戦い」の決着は、多くの場合勝敗とは別に「格付け」がされる。敗者が負けを認めるかどうかってことだ。だから一度負けを認めた相手と再戦したら当然また勝たないとおかしいわけだけど、そうなるとその再戦は初めから勝敗が見えてるってことになってしまう。そりゃ描きづらいわ。
135試合を戦うペナントレースというマキシムな勝敗と、アウト一ついくらで清算されるミニマムな勝敗とが交差して描かれるこの作品。読者としてはチームの勝ち負けよりも渡久地の年某の上下の方が興味ある問題なわけだから、とりあえず一節ごとの対戦チーム・対戦相手との戦いを描くことで「勝ち抜き戦」と読ませることもできるわけだ。事実一節終わるごとにマリナーズやバガブーズなどの「格付けが済んだチーム」との試合は描かれないわけだし。
さて7巻からはブルーマーズとの三連戦。サイン盗みを見破るまでが8巻。インチキナックル対策が9巻。どちらもこれまでも違って敵のトリックプレーにどう対応するかという、渡久地が受けの立場に立つという展開だった。そしてお約束通りそのインチキを逆手に取って勝つ。野球マンガ界の100万$キッド*1ですな。
この辺りがちょっと失速したように(僕に)思われたのは、サインをどう盗んでいるか・盗聴器はどこにあるかという、そんなの分かりっこないだろうという展開にテンポが悪くなったのと、それが余りにも場外乱闘過ぎてしまったせいか。それまでは一応野球規則に則った上での頭脳戦だったわけだから。
*1:古い