読んだ

マンガホニャララ

マンガホニャララ

お友達からプレゼントされて(!)。
さまざまな雑誌に連載されたマンガ評コラム集。一遍が短いのでスイスイ読める。カバーしているマンガのジャンルも広く、かといってマニアックすぎない、読みやすいマンガコラムだった。

その中で著者のブルボン小林氏が単行本用に書き下ろしてまで取り上げていた作品が、先日我々がネットラジオで語った「打姫オバカミーコ」だった。いくら人に勧めても誰も読んでくれないかららしい。そうまでして勧めたくなる気持ち、わかります。

打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス)

打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス)

小林氏が挙げていたのは女子プロ撲滅戦でのあのラストシーン、200万の札束を投げつける猟子についてだった。いやほんといいんだよねあのシーン。

もう一度考えてみると、存在館に勝った猟子は賞金の他にもうひとつ「猫を被ること」も捨てていることに気付く。テレビで放送されているのを分かった上で「金なんかいらないんじゃボケー!」だ。それらを捨ててでも猟子は言いたかったんだ、と。

その後に続く「女子プロの悪口をいうんじゃねー!」という台詞は、存在館がそれまで語ってきた「女子プロがだめな理由」の理論に比べてまったく非理論的なものだ。本来なら猟子がここで言うべき「女子プロの存在理由」でもなんでもない*1、心の叫びでしかない。でも、だからこそそれがいい。子供のようにただ「バカにすんな!」と叫ぶ猟子が、それまでのヒールっぷりとのギャップもあって実にいい。だからあのシーンは泣けるんだ。

*1:デジミユに勝ってアナログの存在理由を語るれいらとは対照的だ。