キン肉マン読破日記(21〜22巻)

hirotashi2006-01-05

ソルジャーに成りすましていたスグルの兄アタルのエピソード。
キン肉マンとはまた違う形の友情パワーを見せつけることはそのまま主人公キン肉マンの否定になるわけですが、フェニックスによって殺されることで試合としても思想としても「キン肉マンとの対決」をうまく避けたわけです。死に際に弟に助言までしてるし。
全巻までの感想で書いた「味方ではないが敵でもないキャラ」の立場、そして生き残ってしまえばキン肉マンを裏切ったことを責められるであろうソルジャーチームの面々。それら全てはこの戦いで死亡または消滅することになります。悲劇として成立はしているんでしょうが、なんだか「処理」という言葉が頭に浮かんでしょうがありません。

古畑任三郎FINAL視聴日記 第1夜「今、蘇る死」

ファーストカットは簀巻きの死体。全体的に暗い画面。古い家屋で起こる殺人はたたりに見せかけられる。
おお、これはもう横溝正史の世界そのものじゃないか。って思ってたら作中で金田一耕助の名が。つまりこれは「自覚した」パロディですな。あるいは「開き直った」。
そして最後の最後で古畑と対決するのは”ご本人”石坂浩二*1。サブタイトルを「古畑任三郎VS金田一耕助」にするべきだ(笑)
今までの古畑のシリーズ史上最大に練られたストーリー。見破られても罪に問われないトリック。その上で見破られる過去の犯罪。
初めて演技してるとこ見たんですが藤原竜也が素晴らしい。うめー。見ていて「あ、いまゾクゾクしてる」ってのがわかる。恥ずかしながら「妖艶」という言葉が浮かんでしまったんですが僕だけですか。

*1:僕らの世代だと金田一耕助と言えば石坂浩二なんですが、皆さんはどうですか。古谷一行ですか。片岡鶴太郎ですか。古尾谷雅人ですか。まさかトヨエツですか。

古畑任三郎FINAL視聴日記 第2夜「フェアな殺人者」

よし。よし。わかった。このさいイチローの演技には目をつぶろう。イチローは悪くないと思う。後半正視できなくて毛布かぶっちゃったけど。
それ以上に問題なのは脚本の方だよ。犯人が全力で捜査から逃げようとしていないせいで謎解きが簡単になってしまっている。証拠を次々見つけられる上に動機もたっぷり。最後のCM前の「語り」では「最初に怪しいと思ったのはなぜか」を視聴者に問うてましたが、つまり今回はそれくらいしか解きがいのある謎がなかったという事なわけで。
「嘘をつけない犯人」と言えば以前にも沢口靖子の回「笑わない女」があったわけですが、あの回ではその事実に気付くのに遅れた古畑が「はじめから『あなたが殺したんですか』と聞けばよかった」(意訳)と言うんですね。なら今回はその反省を生かしてストレートに聞きゃいいのに「犯人がフェアプレーでくるなら云々」とか言い出してそうしようとしません。謎解きが簡単すぎるあまり古畑に手を抜かれたわけです(!)。
そして話とはまったく関係のない今回のサービスシーン、古畑とイチローの野球対決!バッターボックスで構えるイチローに投げる古畑!もうその絵が欲しいだけじゃん(笑)
で、ハチミツと毒薬のロシアンルーレット、あれ本当にただやっただけなんですか。あれトリックと関係ないんですか。そんなにもフェアなんですか。