軸とバランスシートとビンゴ理論。

さらに新たな概念を導入する。

【軸】
ある順子に対し、その順子を形成する3枚の牌のうちランクが真ん中のものを、その順子のと呼ぶ。またその牌のランクを指す場合もある。
例:
五萬六萬七萬の軸は六萬(または6)。
4を軸に持つ順子は三萬四萬五萬三筒四筒五筒三索四索五索の3種。

ここで、縦軸に萬筒索、横軸に2345678をあらわす3×7マスのバランスシートを用意し、中国麻将における手牌内の順子とその軸があらわすマスとを対応させることを考える。以前の1枚の牌と1マスを対応させたバランスシートとは違い、今回は1順子(1つの軸)と1マスを対応させる。

例:三萬四萬五萬五筒六筒七筒六筒七筒八筒六索七索八索
裏裏四萬裏裏裏裏
裏裏裏裏六筒七筒裏
裏裏裏裏裏七索裏

このとき、縦・横・斜めに3つ並んだ「軸」は、それぞれ準ビンゴ役の三色三同順・一色三歩高・三色三歩高に対応する。

(1)三色三同順
三萬四萬五萬三筒四筒五筒三索四索五索
裏裏四萬裏裏裏裏
裏裏四筒裏裏裏裏
裏裏四索裏裏裏裏
(2)一色三歩高
二筒三筒四筒三筒四筒五筒四筒五筒六筒
裏裏裏裏裏裏裏
裏三筒四筒五筒裏裏裏
裏裏裏裏裏裏裏
(3)三色三歩高
三萬四萬五萬四筒五筒六筒五索六索七索
裏裏四萬裏裏裏裏
裏裏裏五筒裏裏裏
裏裏裏裏六索裏裏
(ここで言う「斜めに3つ並ぶ」とは、萬筒索の順を並び替えて実現するもの全てを指す。)

さて、ここで隣接3面子の4つのパターンと、上で示した5重リーチの法則とをバランスシート上に軸を用いて表してみることにする。
以下のシート上では隣接3面子をそれぞれの軸である1枚の数牌で表し、さらにそれらと準ビンゴ役を成立させる第4の順子の軸を白ポッチで表すことにする。どの場合でも白ポッチは5枚あることと、白ポッチは必ず3枚の数牌のうち2枚と縦横斜めのいずれかで一列に並ぶことに注意して頂きたい。

(A)縦横リーチ型
四萬五萬六萬五萬六萬七萬四筒五筒六筒
裏裏白ポッチ五萬六萬白ポッチ裏
裏裏裏五筒裏裏裏
裏裏白ポッチ白ポッチ裏白ポッチ裏

(B)縦リーチ型
四萬五萬六萬四筒五筒六筒五索六索七索
裏裏白ポッチ五萬裏白ポッチ裏
裏裏白ポッチ五筒裏白ポッチ裏
裏裏裏白ポッチ六索裏裏

(C)横カンチャン型
三萬四萬五萬四筒五筒六筒五萬六萬七萬
裏裏四萬白ポッチ六萬裏裏
裏裏裏五筒裏裏裏
裏白ポッチ白ポッチ裏白ポッチ白ポッチ裏

(D)横リャンメン型
二萬三萬四萬三萬四萬五萬四筒五筒六筒
白ポッチ三萬四萬白ポッチ裏裏裏
裏裏裏五筒裏裏裏
裏白ポッチ白ポッチ裏白ポッチ裏裏

さて、ここで次の手を見て頂きたい。
四萬五萬六萬五萬六萬七萬四筒五筒六筒四索五索西西
三索六索待ちのテンパイ。三索で三色三歩高・六索で三色三同順が成立する。どちらの待ちで上がっても準ビンゴ役が成立する手である。
実はこの手、上の(A)縦横テンパイ型で例に挙げた隣接3面子四萬五萬六萬五萬六萬七萬四筒五筒六筒と、そのバランスシート上で「横に2枚並んだ白ポッチ」が表す2枚の両面ターツ四索五索、さらに雀頭西西を加えたものである。
一般に(当たり前のことであるが)両面ターツを構成する2枚の牌は、そのターツが順子になった際の軸となりうる2種の牌そのものである。

例:
両面ターツ四索五索は、以下の2種類の順子になる可能性がある。
三索四索五索 四索五索六索
この2種の順子の軸はそれぞれ四索五索であり、この2種の軸を合わせると、元の両面ターツ四索五索が出来上がる。

即ち、上のバランスシート上にある「横に2枚並んだ白ポッチ」が表す両面ターツと、数牌が表す隣接3面子、さらに任意の雀頭とを合わせれば「準ビンゴ役確定の両面テンパイ形」が出来上がる。
いいかえれば、「準ビンゴ役が確定した両面テンパイ」の全てのパターンは、実質的に上の表で表現されていると言えるのである。