ツモ上がる麻雀マンガ 出上がりする麻雀マンガ
出来の悪い麻雀マンガを批判するとき、よく「上がりしか書いてないじゃんか」という表現を用いる。手を開いたときだけ書く麻雀マンガはつまらないというわけだ。
ところで「打姫オバカミーコ」は、どちらかというとテンパイまでを描いている麻雀マンガだ。どのテンパイを取ると正しいかの選択を主として描いていて、上がるシーンそのものは単なる結果としているように読める。
- 作者: 片山まさゆき
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2004/11/27
- メディア: コミック
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しかし麻雀の、特に現代の一発裏ドラアリルールでの麻雀のリアルを描こうとすると、どうしても「リーチしてツモった奴が偉い」という事実を書かざるを得ない。ツモれるかどうかを強さとして描くのは難しいので、そこで勝負は「いいテンパイが取れるか」にシフトするわけだ。だからこの作品の中でツモ上がれる理由は「上がれるテンパイを取ったから」である。もちろん実際には必ずしもそうではないのだけど、しかしツモ上がりに説得力を持たせることには成功していると言えるだろう。
そういうわけで、「オバカミーコ」の作品の質は認めながらも、しかし僕はやっぱり嘘でもいいから奇手で相手から討ち取るタイプの麻雀マンガが読みたいのだ。なぜならそこには勝者と敗者の間に意思があるから。駆け引きがあるからだ。そう、僕は「クロカルクラブキル」が大好きだったんだ。
*1:たとえば「天」の二人麻雀でも、ルール上ツモ上がりしか存在しないはずなのに、最終局では待ちを何度も外してからのツモ上がるという流れであった。あれがテンパイ宣言してすぐにツモ上がりであっては盛り上がりに欠けただろう。