じゃあ中学の時も今もイケてない人はどうしたらいいのか

めちゃイケ』に限らず、ある世代のお笑い芸人は「権威を傘にしたいじめ」を肯定している
http://d.hatena.ne.jp/toronei/20091017/M

一年も前の記事へのリンクですが。
めちゃイケの出演者同士のイジり方が不自然なのは、つまりもう何もイジることがないのに無理やり最近変な趣味を始めたとかなんだとかという意味のわからない言いがかりを理由にしてるところなんですよね。ほんのちょっとでも人に笑われるようなことをした奴はいくらでもバカにしていい、というような。
それを笑えたり、笑えなくても「お笑いの世界ってのはそういうもんだから」と許容できてしまうというのは、つまりお笑いの世界の常識が我々の常識と違っているということを認識しながら、ならば我々の方から近付いて行こうとしているということですよね。本来芸人用語であったはずの「寒い」とか「(客が)引く」とかを普通に知るようになり、誰が先輩で誰が後輩か、誰と誰が同じ事務所かということを知ってて当たり前になるというのは、ずいぶんと演者にとっていい客だなあと思うわけです。自分も含めてですが。
バラエティがイジメショーになっているのは今に始まった話じゃないんですが、なぜか今はその上に「それも笑いに換えられるんだからいいんだ」という論理が主張されているように思えます。アメトークの「中学のときイケてなかった芸人」の回はまんまそれで、「でも今ではこうして笑いにできましたよ」という成功者の視点から語られているだけだよなあと。
不幸を語れば語るほど得する仕事ってのはお笑いだけであって、それ以外の仕事に就いた人達は、そもそも笑いに換える技術を持たない人達はじゃあどうするべきなのか。これまではまだ我慢するだけで良かったものを、今ではその技術を持たない自分が悪いんだということになっているとしたら。